Yoshikiの日記

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「中高年ブラック派遣」に書かれている内容が(別の意味で)ひどい

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(この記事は2017年9月24日に更新しました。)

皆さんこんにちは。派遣社員として働くYoshikiです。今回は、「中高年ブラック派遣」という著書を読みました。

中高年ブラック派遣 人材派遣業界の闇 (講談社現代新書)

中高年ブラック派遣 人材派遣業界の闇 (講談社現代新書)

 

著者は、元テレビ局勤務の50代男性(自称)。その男性が、実際に首都圏の様々な現場へ派遣されて働いてみた実態を綴ったという、ルポ形式の本となっています。

派遣労働に関する本ということで、現役の派遣社員+派遣会社の内勤をした経験のある僕としては、とても興味深く読ませていただきました。

今回は、この本を読んでいる内に湧き上がってきた「疑問」について書いてゆきたいと思います。

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まずはこの著書、冒頭からいきなりこんな過激な描写が出てきます。

「静かにしろ!私語厳禁だ」

やせて神経質そうな銀ぶちのメガネをかけた、長身のダークスーツ姿の若い青年の怒声が超高層ビル街の谷間に響いた。

 という文や、

私が名乗ると、不意に大声を出した。 
「聞こえねえよぉ。声は大きくっていつも言ってるよね」
距離は1メートルもないのだから聞こえないはずはないが、あわてて大声で言い直した。

 という一節。

「お前はそんなことをしなくてもいいんだ。彼女来たから、お前帰って」

(中略)

「帰れって言ってんの。ジジイが受付じゃ、主催者に印象悪いしな」

(中略)

「ちっ、しょうがねえな。どこに入れるか考えるから外に出て待ってろ。パスは返せ。ホールの中をウロチョロするな」 

またもや会場の外に追い出された。最後に折れたということは、この責任者も自分の指示が違法であることはわかっているのだろう。

というような、非常に過激なやり取りが多く記述されています。しかも、これでもほんの一部しか書いていません。

さらには本の後半部分でも、

ある現場では、集合していきなり

「おまえらみたいなクズが大事故を引き起こすんだ。どうせいくら教えてもダメな奴はダメだ。俺がこんなに苦労しているのはおまえらのせいだ」

と一人で延々とまくしたてる正規社員がいた。

という描写があります。ここに引用した4つに共通しているのは、とにかく「著者と会話している現場担当者の態度がかなり悪い」ということ。

著者は自称ですが50代の男性であり、出てくる現場担当者はほぼ全員が著者より年下。しかし、これは明らかに50代男性にとる態度ではありませんよね。

僕も東京にいた約2年半の中で、様々な派遣現場へ行きました。

一日のみ勤務するようないわゆる「スポット派遣」と呼ばれる現場から、一ヶ月以上勤務できる「レギュラー派遣」と呼ばれる現場まで、全てを含めると20ヶ所ぐらいには行ったと思います。

しかし、一ヶ所たりとも本にあるような「馬鹿にしたような態度や言葉遣い」で接してきた派遣先担当者は、一人たりともいませんでした。

特にスポット派遣だと、その日限りだからなのか少し適当な対応をされた事はありましたが、それでも最低限の「その場で働いている人」という扱いはされていました。

むしろ、派遣スタッフと現場との間に雇用関係はないからと丁重に扱ってくれる現場もあったぐらいなのですが……。

しかし、今回読んだ本を書いた著者への扱いは、これが事実だとしたらかなり酷いですよね。カイジに出てくる地下帝国へ派遣されていたのでしょうか?(笑)

一応、著書には「2014年12月1日に参加した」という記述はありましたし、具体的なビル名まで書かれています。なので、参加したのは事実だと思われます。

しかし、これは本当に2010年代に就業した派遣現場だったのだろうか?と思ったのが、正直なところでした。

20年ぐらい前の話じゃないのか、もしくはドヤ街でヤクザが斡旋するような日雇い仕事をしたのではないか?と思えるぐらい、僕の実体験と乖離した内容でした。

特に、3つめに引用した「途中で帰らせる」なんて行為は、僕は一度もやられたことはありませんねぇ……。

わざわざ帰らせるなんでいうのは、その人がよっぽど仕事ができなかったか、もしくはよっぽど勤務態度に問題があるか。でなければ通常はしませんよ。

全く同年代で派遣社員ですが、本書で描写されているような酷い環境での就労の経験は有りません。確かに派遣社員への風当たりは厳しいものが有りますが、本書でのブラック派遣の実態は誇張されている疑いが有りますので要注意です。

ちなみにこれはAmazonに書かれていたレビューですが、僕も正直この本の内容は「事実を捻じ曲げている、あるいは誇張している」と思わざるを得ません。

だってこの著者、取材のために数回行った程度でこんな扱いを受けまくっているんですよね?僕はその何倍も同じような現場へ行っていますが、そんな扱いほとんどされたことないんですよ?

これは一昔前の日雇い派遣の実態だな。今は最大手の人材紹介会社(日々紹介)では時給1000円~1500円のいい案件が多数ある。むしろ直接雇用のアルバイト・パートでブラックな業務内容のものが多い。

それに大手派遣会社の若手社員なんてサビ残・薄給・休み少ない、だし。日雇い派遣(紹介)ってそんなに悪くないよ。俺は月20万円近くを楽して稼いでいる。

これはこの記事を書いた後に追加されたAmazonのレビューです。

このレビューに対しても、僕は納得できます。前述したように、20〜30年ぐらい前にドヤ街で日雇い派遣をした時の体験談を、まるで最近働いたように書いたのではないか?と言いたくなるレベルの、まあひどい本です。

百歩譲って本に書かれている内容が本当だとして、ここまで著者に対して現場の人間の態度が冷たいというのは、恐らくは

・実際の内容を誇張している
・本人の勤務態度に問題があった

・ドヤ街で斡旋される手配師(という名のヤクザ)からの仕事

これのいずれかだったのではないでしょうか?

一応、派遣先企業も「人手が足りない」から派遣会社を使って労働者を集めるわけですから、集めておいて「その人に何も原因がないのに帰らせようとする」という行為自体がいまいち納得できないんですよね。

例外的に、よっぽどその人に問題があるならやるかもしれませんけども……。

あとは4つめに引用した、正社員が罵倒をしている箇所。常識的に考えて、多くの人間が集まるような場所でそんな暴言をまくしたてる正社員がいるでしょうか?

同じ派遣社員や非正規の社員ならまだしも、正社員ですよ?

別に派遣業界の人間を擁護するつもりは全くありませんが、かと言ってこの本に書かれている内容を鵜呑みにはしないでほしいと思いました。派遣の経験者が読めば「ん?」と言いたくなる箇所がかなり多いですし。

きっとこの著者は、どうしても派遣業界を悪く書きたかったのでしょう。それこそ内容捻じ曲げてまで。

まあ、タイトルからしてそういうスタンスの本ですし、特に何もキツイことを言われることもなく、普通に働くことができました!で終わってしまっては、読み物としてつまらないですからねぇ……。

しかし、僕のように何度か派遣で就業した経験のある人なら「自分、そんな事された経験ないんだけど……?」と思う人がほとんどではないでしょうか?

今回の本の内容は、まさにそんな感じでした。「派遣労働の実態」を知りたい人が読んだとしても、ほとんど参考にはならないと思います。注意しましょう。

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