うつ病と心療内科
今はもう通っていませんが、2011年~2013年にかけて心療内科に通っていた時期がありました。今日はそのころの話をさせていただきます。
うつになりまして
東日本大震災、失恋、震災に伴う職場環境の変化などなど、原因はいくつかありましたが、当時は本当によくないことがたくさん重なってしまいました。
それまでは本当にバリバリ仕事をしていて、一応役職者として部下も何人かついていたのですが、それも一気に無くなっていきました。そして次第に
「がむしゃらに働いてきたこれまでの5年間ってなんだったんだろうな…」
と思うようになっていきました。人間って本当に弱い生き物で、一度そうなるとゴロゴロと坂道を転がるかのように転落していくんですよね。それまで仕事ばっかりしていたのに一気に無気力状態になり、会社に行くのが怖くてたまらなくなりました。
休みの日だって何もしない、というかできない。する気が全く起きない。よく「休日は何してるの?」と聞かれると「何もしていない」とか「寝ている」と言う人っていますよね?しかしそんな人でも24時間何もしていないとか、24時間寝ているということは多分ありえないでしょう。
ですが、当時のぼくは本当に文字通り「何もしていない」状態でした。一応起きてパソコンをつけますが、気付いたらパソコンの前でボーっとしているんです。何も検索しないし、キーボードもマウスもいじらない。それまで作業用BGMとして使っていたiTunesも起動させない。モニタとパソコンのスイッチは入っていますが、本当にそれだけ。それだけで一日が過ぎていく状態。
これに気付いた時点で「あ、これは本当にやばいかも…」と思うようになりました。
そんな状態ではありましたが、わずかに残っていた行動力で、ぼくは当時住んでいた地域の総合病院に電話をしました。場所は精神科。そこは診察の前に電話でのヒアリングをする病院だったのです。
そこでぼくは現在の自分について話しました。急激な環境の変化によって無気力状態に陥っていること。物事を悲観的にしか捉えることができず、常にため息が出るようになったこと。仕事にも身が入らず、お客さんを前にすると冷や汗と動悸が止まらなくなり、仕事どころではない状態であることなどなど…。
現在の自分についてワーッと話したところで、そのカウンセラーはこう言いました。
「あなたのような症状の場合は、心療内科を受診することをおすすめするわ」
とにかく藁にもすがるような思いだったので、理由は聞きませんでした。
恐らく、切羽詰まりすぎていて「疑問に思う」という思考回路が欠けていたのでしょう。精神科は「精神」に対する治療をするところであり、心療内科は精神疾患からくる「身体」に対する治療をする場所というのは後から知り、前述した「ため息」や「動悸」の症状に対して、心療内科をすすめられたのかもしれません。
そのころは精神科と心療内科の違いも分かりませんでしたが、カウンセラーがおすすめするなら…と、駅前にあった診療内科のクリニックを受診することにしました。
どうやら総合病院で受診するには紹介状が必要なようで、その紹介状は町医者から貰わないといけないシステムだったようです(うろ覚え)
そのクリニックは予約制だったので、電話で予約をして受診しました。そこは人気があるクリニックだったのか、震災後で医療費がタダになっていたからなのか、常に患者さんがたくさんいました。
先生との問診の前に、現在の自分の精神状態についてのテストのようなものをやりました。内容は「理由もなく落ち込むことがある」に対して「すごく思う」から「全然思わない」まで5段階で答えるようなテストを100問ほど。その結果をもとに問診に入る流れでした。
そのテストに関して覚えているのは、ネガティブな質問(何を見てもおもしろいと思えない、みたいな質問)にはほとんど「すごく思う」と答え、ポジティブな質問(将来に対して明確なビジョンがある、みたいな質問)にはほとんど「全然思わない」と答えていたことぐらいです。ポジティブな質問を見ると、常に「んなわけねぇだろ…」と思いながら〇をつけていました。
そのテストが終わってから、先生との問診が始まりました。覚えているのは、
「現在の身体の状態を詳しく教えてほしい」
「いつごろからそうなった?」
「何が原因か自覚はしているか?」
ぐらいですね。
というか、会話自体あまりしませんでした。医者の先生が簡単な質問をして、ぼくがつらつらと話し続けるような感じ。思いの丈を吐き出させる意味合いもあったのでしょうが、ずいぶん口数少ない人だなオイ!と思いながら話し続けました。その間も出るわ出るわ、ため息が。
こういう状態になって一番思うのは、
とにかくため息が出まくる
ということですね。これには自分もビックリしました。
精神疾患を患っている人というのは、文字通り腫れ物だと思っています。かなり神経が過敏になっています。ちょっとネガティブな刺激を受けると青息吐息が漏れまくりです。桃色吐息じゃないよ。今はかなりため息は出なくなりまして、1日100回が1日5回ぐらいに減りました。
そんな感じの問診を15分ぐらいしてから、5~6種類ぐらいの薬をもらって帰りました。先生曰く、
「あなたは現在うつ状態(うつ病一歩手前らしい)になっている。これらを定期的に飲み続けても効果が表れなかったら、うつ病でしょう。様子を見たいから定期的に来るように」
とのこと。ぼくは父親ゆずりの楽観的な性格で、うつ病なんて絶対自分には縁の無いものだと思っていました。自分がうつになったなんて親に言っても信じてもらえないぐらいには楽観的な人間だったはずなんです。一寸先は闇ですよ本当に。
仕事については、休職しなさいだとかそういうことを医者の先生には言われませんでしたので、そのまま仕事は継続していました、辛かったけど。そして薬を飲みながら働くことになるのですが…何だか変だ。
薬が効いている気がしない…
貰った成分表には「心を落ち着かせる効果」とか「気分を楽にさせる効果」とか「テンションアゲアゲになる効果」とか書いてあるんだけど、そんな効果は微塵も感じられないぞ?という状態でした。
また、定期検診に行っても先生とは
先生「気分はどうですか?」
ぼく「いやー…あんまり変わらないですね」
先生「そうですか…じゃあお薬の量増やしておきますね」
これだけ。これだけ話をして、診察料を払って終わりでした。
しかも診察料の明細も不明瞭で、例えば2000円の診察料がかかったとすると、
・お薬代:500円
・対話療法:1500円
…ちょっと何書いてあるかわかんない。でも本当にこういう内訳でした。
一応言っておきますけど、これは100%ノンフィクションです。薬の効果が感じられないのと、この診察料と、いつ行っても満員で待たされるのに嫌気がさして、3回ぐらいしか行きませんでした。
診察料はまだ良い(良くないけど)として、問題はこの沈んだ気分が一向に改善しないことだ。と思ったぼくは、ある行動に出ました。そう、会社を辞めました。
ぼくにはもうこれしか方法が無い!というか、これが一番の原因だ!と思いました。
パチンコ店ゆえの客層の悪さ、大音量と重いドル箱を持つことによる耳と腰の負傷、時間の不規則での自律神経の破壊などなど、ここを脱出しないと、多分自分はここでくたばるなと思いました。
よくよく考えてみると、こういう思考ができるようになったのは薬のおかげだったのかもしれませんね。無気力状態のままだったら、会社から出るぞ!なんて思わなかったでしょうし。
そして憧れの東京に出てくることになりました。偶然ですが、パチンコ店の後輩社員(女)も同じように東京に憧れを持っていて、一緒に上京しました。その縁で昨年の5月まで付き合っていましたが、今はロンリーウルフなので彼女緊急大募集(ry
上京してきて完全復活!みたいに書いていますが、そう簡単にはいきません。東京に来てからも、一度だけ心療内科を受診しました。
その理由というのが、上京してきたばかりの頃に某大手通信会社(Y社、当時E社)の代理店に正社員で入社したのです。しかしこれが
数字出してりゃ何しても許される!
みたいな数字至上主義の体育会系の会社で、そこでボコボコにされた影響で再び沈んでしまったんですよね。そこはすぐ辞めたので、現在は心療内科には通わずに少しずつ目の光を取り戻しつつあります。もちろん現在は薬も飲んでいません。
またいつどうなるかは分かりませんが、今は何とか自分の好きなことや得意なことで生きていく方法を模索しています。そして少しずつですが、それが叶いつつあります。
自分はもう若くないし、これから自立して生きていくためにも、自分の生きる道を見定めていこうと思います。
長文になりましたが、読んでいただきましてありがとうございました。
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