10年以上の時を経て再注目される「ネットカフェ難民」という実態


「ネットカフェ難民」という言葉や現象が、再び注目を集めてきている。

www.huffingtonpost.jp

住居が無くインターネットカフェなどに泊まる「ネットカフェ難民」が東京都内で1日当たり約4000人に上るとみられることが1月29日、都が初めて実施したアンケート調査で分かった。

そのうち75.8%にあたる約3000人がパートやアルバイト、派遣労働者など不安定な働き方をしていると推定された。

(記事冒頭より引用)

「ネットカフェ難民」の実態調査

東京都が初めて行ったという、ネットカフェ難民についての実態調査。

「前回(と言っても10年以上前)の調査は全国規模だったのに、東京都だけでは正確な統計がとれない!」と不満をこぼす人もいるようだが、ネットカフェが全国で最も多くある東京都内での調査を行ったということは、一定の意義があったと思う。

この調査が報道されてから、僕のブログにも「ネットカフェ難民」というキーワードでの流入が増えている。

www.continue-is-power.com

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このブログではこういった記事へのアクセスが増えているし、

shikujiri.me

ワードプレスで書いているもう1つのブログでは、休止中で記事の更新が滞っているにも関わらず、この記事のおかげで今までの3倍以上のアクセスが入ってきている。ありがとうございます。

ネットカフェ難民をしてきてよかった……!(笑)。とは決して思わないが、10年以上の時を経て、こうした「見えないホームレス」への実態が再び注目されてきているのではないだろうか。

再注目されるネットカフェ難民

思い返せば、ネットカフェ難民という言葉やその問題性が初めて注目されてきたのは、恐らく今より10年以上前の2004〜2005年前後だったと記憶している。その時期に同じく社会問題と化していた「日雇い派遣」とセットにして語られることが多かった。

そこから10年以上が経過しているわけだが、当時よりもインターネットやネットカフェという業態が普及したことなどもあるのだろう、今の若い世代がこのキーワードに注目しはじめているのかもしれない。

ネットカフェ難民の調査をするのは大いに結構だし、自分に協力できることなら何でもしたい所存ではあるが、その一方、すでに難民を二度ほど経験している僕からすると、「今さらかよ!?」という思いも拭えない。

なぜなら現代では、すでにネットカフェ以外にも「難民化」を狙い、あえて長期滞在できるような仕組みにしている業態もたくさん増えてきているからだ。

拡大し続ける「貧困ビジネス」

たとえば、かつて僕もよく利用していた「ネットルーム」という業態。ネットカフェとは少し違っていて、ドリンクバーや雑誌類はないが、代わりに個室にカギをかけられたり、コインランドリーやコインシャワーがあったりする。

また、都会に多くある「個室ビデオ店(都内では"花太郎グループ"が有名)」と呼ばれる業態も、最近では「ワンデイ(20時間)プラン」などを掲げ、長期滞在を訴求している店舗が多い。

他にも、ネットカフェ大手の「マンボー」という会社が運営している「プライベートルーム」という、まるで「簡易宿泊所(いわゆる"ドヤ")」のような施設もあり、主に都心の駅前を中心に展開している。

ただ勘違いしないでほしいのは、これらは「住居」でなく、あくまで「施設」である場合が多い。前述したプライベートルームについても、マンボー側はあくまで「レンタルルームや荷物置き場のような場所だ」と言っている。

他にも「貧困ビジネス」と呼ばれている、悪質なNPO法人などが運営し、生活保護費を搾取しながら劣悪な環境の住居(いわゆる"タコ部屋"のような場所)に受給者たちを押し込むような非人道的な施設もまだまだ残っている。

そもそも、ネットカフェに滞在できるほどのお金に余裕のある人はまだしも、それすらできずにマクドナルドなどの24時間営業のお店で夜を明かす「マック難民」という存在だって、ずっと問題視されてきた。

ネットカフェ難民以外も調査してほしい

要は、現在のホームレス状態な人々というのは、必ずしも路上やネットカフェにいるだけでなく、上に挙げてきた施設などで先行きが見えない不安と闘っている人も多い。

今まで自治体の腰の重さや、ネットカフェ団体の抵抗などによって全く進まなかった、こういう調査。それが一歩進んだのは評価すべきだと思うが、そんなに悠長なことをしている暇もなく、今や貧困は様々なカタチに派生している。

これからはネットカフェのみならず、上に挙げてきた様々な業態のお店や施設を調査し、より詳細な実態の追及をしてほしいと思う。

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