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2018年10月からの生活保護費引き下げとその問題点


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(↑勉強会に使った資料)

どうもみなさんこんにちは。

生活保護から1日も早く脱出したい。

当ブログ管理人のYoshikiと申します。

さて現在、僕も満額ではありませんが受給をしている生活保護費。

それがなんと今年の10月から減額されるという事が決定しておりますので、今回は、急遽それについての勉強会に参加してきました!

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◆ 目次 ◆

生活保護費の引き下げ

これまで5年に1度のペースで見直しがされてきた生活保護費。前回見直しをした2013年には、これまでに無いぐらいの減額がされました。

さらには今回も減額されるという事がすでに決まっております。

ちなみに減額されるのは、生活保護費の中の「生活扶助」と呼ばれる部分。いわゆる「生活費」にあたる項目で、食費・光熱費・通信費などに使われます。

どのぐらい引き下げられるのか?

ちなみに今回の減額も前回(2013年)同様、3年かけてジワジワと減らされます。今回はその1回めの減額ということになります。

仮に僕のような受給者(30代男性・単身・都内23区在住)はどのぐらい減らされるのか? といいますと、 

  • これまでの生活扶助費:79230円
  • 1回め(2018年10月〜2019年9月):77903円
  • 2回め(2019年10月〜2020年9月):76501円
  • 3回め(2020年10月〜):75250円

このように減らされていき、最終的にはおよそ4000円ほど生活扶助費が少なくなるという具合になります。

他の例もあげてみます。仮に(75歳男性・単身・都内23区在住)の場合はどうなるのかといいますと、

  • これまでの生活扶助費:74630円
  • 1回め(2018年10月〜2019年9月):72700円
  • 2回め(2019年10月〜2020年9月):70699円
  • 3回め(2020年10月〜):68840円

という具合になります。

いやー……いくら高齢で食べる量が減るとはいえ、月7万円を切ると生活はかなり切り詰めないといけなくなるでしょう。これは酷い……。

そして単身世帯ばかりだとアレですので、家族4人世帯(夫婦+子ども2人(15歳と10歳)世帯・都内23区在住)の例もあげてみますと、

  • これまでの生活扶助費:187,106円
  • 1回め(2018年10月〜2019年9月):183,988円
  • 2回め(2019年10月〜2020年9月):165,733円
  • 3回め(2020年10月〜):159,958円

今回の基準額引き下げについては、単身世帯よりも家族世帯の方が減額幅が大きくなると言われています。しかし、それでも3年間で2.7万円以上も減らされるか普通?

しかも2回めでズドーンと1.8万円分も引き下げられるなんて……受給世帯にとってはかなりの大ダメージになるでしょう。

※ただし、来年の2019年10月には消費税が10%に増税される予定があります。その場合には、増税に比例して保護費も引き上げられる予定になっています。

当初はもっと引き下げる予定だった

この保護費減額ですが、この議論が始まった当初は今回の予定以上にドカーン! と引き下げようとしていました……。

それを「さすがにそれはやりすぎだろ安倍!!」と内外の有識者から異論があがり、結局「緩和措置」として今回の減額幅に落ち着いたという経緯があります。

生活扶助費についてみると、都市部の夫婦子2人世帯では13.7%(月額約2.5万円)、高齢単身世帯(65歳)では8.3%(月額約0.7万円)の減額が見込まれ、あまりに影響が大きいために減額緩和措置で減額率を5%にとどめるという。

生活保護基準を引き下げないよう求める会長声明|神奈川県弁護士会 より引用)

という事はですよ、これでも当初の予定より引き下げ額は少ない。本来はもっとガッツリと減らす予定だったという事です。

mainichi.jp

……いやはや、政府と厚労省は本当に何考えているんだろう? という心境です。

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今回の保護費引き下げの問題点

それは大きく3点あります。

  1. 一般低所得者層との比較で決めたこと
  2. 保護を受ける当事者の声を聴いていないこと
  3. 生活保護基準部会の誰も「下げろ」と言っていないこと

順番に書いていきます。

1:一般低所得者層との比較で決めたこと

上に引用した「神奈川県弁護士会」の声明に、これについても書かれています。

今回の引き下げの考え方は、国民のうち所得が最も低い10%(「第1・十分位層」)の消費水準に生活保護基準を合わせる、というものである。

しかし、日本では生活保護を利用できる人のうち実際に利用している人は2割から3割程度といわれており、第1・十分位層の中には、本来生活保護を受給可能であるにもかかわらず受給できていない人も多い。その中には生活費を極度に切り詰めざるを得ず、到底「健康で文化的な最低限度の生活」とは言えないような生活をしている人々が少なくない。

生活保護基準部会でも、特に第1・十分位の単身高齢世帯の消費水準が低すぎることについては複数の委員から指摘がなされているほか、同部会報告書(2017年12月14日付)において子どもの健全育成のための費用が確保されないおそれがあること、一般低所得世帯との均衡のみで生活保護基準を捉えていると絶対的な水準を割ってしまう懸念があることに注意を促しているところである。

このように第1・十分位層の消費水準に生活保護基準を合わせる、という考え方は、同基準が憲法25条の「健康で文化的な最低限度の生活」を具体化するものであるという点に照らし、問題があるといわざるを得ない。

赤く色をつけた箇所が最も大事なところなので覚えておいてほしいのですが、日本では生活保護を受けられるはずの収入状況にも関わらず、保護を受けたがらない人が非常に多くいます(ちなみにコレを"漏給"といいます)。

なぜ受けたがらない人が多いのか? それについて僕が聞いたことがある理由だと、

  • 過去に申請へ赴いた際に、職員から傷つくことを言われた
  • 保護は受けたが、ケースワーカーの干渉が酷かった
  • ネットやテレビなどの生活保護バッシングを見て怖くなった
  • 知人が「生活保護なんて恥」と言っており受けづらかった

などがありました。

人によって様々な理由があると思いますが、僕としては2012年ごろから盛んになってきた生活保護バッシングが最大の原因になっているのではないか? と思います。

保護を受けられる水準の収入にも関わらず、それをしない。しかし、低収入なことには変わりないので、ギリギリ限界にまで切り詰めながらの生活となってしまう。

そういう人と消費水準を比較すれば、そりゃ保護を受けている人の方が消費は大きくなるわな! んなもん当たり前のことだろーが!! このボケ!!!

と憤りを覚えずにはいられません。これがまさに民衆を騙すための「数字のカラクリ」というヤツですね。ふざけんなよ政府この野郎!

2:保護を受ける当事者の声を聴いていないこと

5年前の2013年に大幅な引き下げを行った際、参議院厚生労働委員会にて全会一致で採択された「附帯決議」には、このように書かれています。

生活保護法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(抄)

参議院厚生労働委員会 平成25年11月12日

七、5年後の見直しに際しては、生活保護受給者数、人口比受給率、生活保護の捕捉率、餓死・孤立死などの問題事例等の動向を踏まえ、生活保護受給者、これを支援する団体、貧困問題に関し優れた見識を有する者等、関係者の意見を十分に聴取した上で、必要な改正を行うこと。

参議院 議案情報ページ内のPDFより引用)

2013年の引き下げ時なので、5年後というのはまさしく今年になります。つまり今回の引き下げは、この参議院決議を完全に無視しているわけです。

しかもふざけているなと思うのが、実は5年前の引き下げ時にも「当事者の声は全く聴かず」に政府は引き下げを断行しました。

それがあったからこそ、このように5年後について参議院から"わざわざ"釘を刺されていたわけです。しかし、今回もそれをしませんでした。

「当事者抜きに根本制度や政策を決めてはならない」というのは、政治を進める上では常識中の常識なはずなんですがねぇ……?

これで完全に「自民党=弱者を切り捨てる党」となったわけですね。おめでとうございます。このふざけた態度を改めない限り、もう二度と投票してやんねぇからな!!

3:生活保護基準部会は誰も「下げろ」と言っていないこと

「生活保護基準部会」とは、生活保護額が現在において適正か否か? を審査するために集められた学者や専門家たちの組織であります。

生活保護というのは、国が保障する重要な「ナショナルミニマム」です。

これを現在の自民党政府のような連中が、自分たちに都合よくいじくろうと暴走しないよう「第三者機関」として見張る役割がこの部会にはあります。

5年に1度の保護費見直しの際には、この部会の有識者たちが適正かの審議をするわけですが、これまでに「現行の保護費は多すぎるから下げるべきだ!」というような結論を出した部会員は誰一人としていません。

基準部会委員の多くは長年貧困研究に携わってきた専門家であるが,これまでの基準部会においては,委員(駒村部会長,岩田委員,山田委員,阿部委員)がそれぞれ独自に調査分析を行い,あるべき最低生活費を算定・発表してきた。

その結果は,別紙(※注:開けませんでした)のとおり,生活保護基準(1級地1)が13万8839円であるのに対し,各委員の研究によれば,あるべき最低生活費は16ないし21万円であって,むしろ現行生活保護基準の低さが浮き彫りとなっていた。

生活保護問題対策全国会議 -”基準引き下げ”の結論ありきの拙速な議論に抗議し、慎重な検討を求める「社会保障審議会第12回生活保護基準部会を踏まえての緊急声明」を発表しました。より引用)

むしろ引用した文章にあるように「現行の保護費は少なすぎるから上げるべきだ!」というような意見が、基準部会では大勢を占めています。

しかしながら、前回(2013年)の引き下げ時に政府は「引き下げありき」でこの制度改正を推し進め、基準部会からの意見についても自分たちに都合の良い部分のみを抜き取って引き下げの根拠とし、ついには大幅(受給者によっては10%もの減額)な引き下げを断行しました。

現在行われている「生活保護引き下げ違憲東京国賠訴訟(通称:はっさく訴訟)」でも取り沙汰されていましたが、前回の引き下げ時に当時の厚生労働大臣は

「マニフェストとして国民と約束していたから下げた」

という発言をしたと言われています。

いやいや、ナショナルミニマムという国にとってとても重要なものをね、そんなアホみたいな理由で下げたりしちゃあいけないんですよ……。

自民党はね、そういうふざけた理屈で国の大事なものをどんどん破壊していくんです。お馬鹿なネトウヨどもはいい加減気付けよ、本当にさ。

おわりに

まあ、もう決まってしまった事なのでね、泣いても笑っても喚いても10月から保護費は引き下げられます。ただ、その引き下げを指くわえて見ているわけではありません。

この3年間の引き下げ期間中に、前述したはっさく訴訟が原告勝利で終われば、2013年の引き下げ以前の受給額に戻るかもしれない。

また、ナショナルミニマムが下がるということはそれを基に計算されている各種社会保障制度の内容も薄くなる可能性があります。それに対して国民が怒りの声をあげれば、そしてあわよくば政権交代でもすれば、この引き下げも止まるかもしれません。

正直に言って確率はかなり低いと思いますが、まあ何もしないで黙っていられるほど人間できておりませんので。これからガンガン、政府の違法性を様々な場で指摘していきたいと思います。

間違いだらけの生活保護「改革」 -Q&Aでわかる 基準引き下げと法「改正」の問題点-

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